10GHz周波数表示器の製作

(2003.11月)

12GHzまで動作するプリスケーラーを入手する機会がありましたのでそれを利用して
簡易型周波数表示器を作ってみました

内部は まず入力周波数を1/512に分周した後にPICで周波数を計測し計測結果を液晶表示器に
表示します。

まず最初に分周器をテフロン基板で製作し計数部と表示部は別基板にした試作器を製作しました


試作器の外観です
アルミ削り出しのケースに入っているのが高周波回路部分です。

試作器で動作確認したところ入力周波数範囲は500MHzから12GHzくらいまでは動作しているようです
感度も比較的高く-10dBmくらいあればカウントするようなので直接入力を繋がなくてもトップの写真の
ように簡単なアンテナを付けて信号源に近づけるだけでカウントします。
また感度が低下しますが上限は13GHz位までカウント可能でした

試作器が結構結果が良かったので両面スルーホールのプリント基板を作ってしまいました
製作の目標は
 1.測定周波数範囲  500MHz〜12GHz (感度は低下しますが13GHz位まで計測可能)
 2.サイズ      使用した液晶表示器と同じサイズか少し大きい程度
 3.分解能      1KHz以下
 4.安価に製作できる
です。

1.3.は試作器でほぼ実現できているのでとくに問題ないです
測定分解能はゲート時間を512mSとする事で分解能1KHzとしました
毎秒約2回表示を更新するので調整時などに表示の追従は比較的によいです
また基準発振器の精度が1ppm程度なのでこれくらいの分解能がちょうどよいと
思います。

2.4.を実現するために基板の材質をテフロンではなく松下電工の熱硬化PPO基板を使用し
高周波部とその後の処理部を1枚の基板で実現しました
この基板はテフロンに比べると安価で周波数特性も15GHz位までは使用できます
強度もあるので高周波部のシールドがアルミの削り出しでなく簡単な板金にすることができました
その結果サイズは 幅85mm 高さ45mm 厚さ21mmと 手のひらにすっぽり入る超小型になりました

入力は本当はアンプを入れたかったのですが私の技術では500MHzから12GHz以上の広帯域で
動作するようなアンプの製作は困難なので今回は入っていません

電源は9V〜12Vで動作し電流は約100mAでした。
製作したカウンターの液晶表示器を取り外したところです。


内部回路です。


プリスケーラ部の回路です。

プリスケーラは まず10GHzを1/8して
その後1/64で計1/512にします。
2段目のプリスケーラーのMB501は
カタログデータでは1.1GHzまでで
10GHz動作時に入力周波数が10/8で
1.25GHzとなりオーバースペックです

しかし今まで何台も製作しましたが実際には
1.5GHz以上で動作可能のようで入力周波数
13GHz位でも動作に問題ないようです。

将来20GHzタイプ等を製作するときは
もっと良いものを探さないといけないかも
しれません


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